第65章

久世美月はこくりと頷き、青ざめていた顔色がようやく少しだけ和らいだ。

それから、傍らで陰鬱な表情を崩さない久世湊へ視線を移す。ここ最近、久世美月に向けられた黒いトレンドをかばうため、湊は自分から炎上の渦中へ飛び込んでいた。

その無茶は【夢音音楽制作会社】の上層部にとっても頭痛の種だ。

【音羽配音工作室】と真っ向からやり合い、相手の看板を引きずり下ろそうなど、危険すぎる。けれど久世湊は久世美月のために退路を断ち、重圧を背負ったまま久世悠真と手を組んだ。

【音羽】宛てに内容証明を何通も送りつけたが、返ってくるのは沈黙ばかり。

ネットではすでに「CVお酒」を徹底的に叩き潰す空気ができあが...

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